お散歩日和

身近な自然観察や感じたこと等。たまに遠出も。

色を知る 違う見方が 光差す

2022/5/25

 

満開だったバラ園芸科のお宅の生垣が終わったようで
バッサリ剪定されていました。
寂しいですが次の開花のためですね。

 

これからは新緑も美しくなってきています。

 

カエデの新緑

沢山の鮮やかな花を見ていると
感情が動きます。

 

色が人の心に与える影響を考えた色彩心理学がありますが
広く見るとその人の背景にある文化や個人的体験で
色の持つイメージは変わります。

 

モノトーンの部屋は暗く感じる人もいれば
落ち着くと感じる人がいますね。
やはり何事も人それぞれ、十人十色です。

 

最近、視覚障害者の方が書いた文を読んでいて
出て来た晴眼者、という言葉を知りました。

 

その方は色を見たことは無いけれど
「赤は熱い、青は涼しい、黄色は元気なイメージ」と
母親から色について説明をしてもらい
「色」を知ったと書かれていました。
色を「見る」のではなく、「覚える」そうです。

 

ある日、母親と夕方の風を感じながらベランダにいると
突然強い光を感じ、母親に光を感じたことを伝えると
オレンジ色の夕日だよ、と教えてもらったそうです。


はじめて光を感じたと自覚して驚いたそうですが
その時の涼しい風、家路につく子供たちの声を聴いて
オレンジ色のイメージがわき、大好きな色になった。
見えなくても好きな色を見つけることはできた、と
書かれていました。

 

その時に感じられた情景がオレンジ色に結び付いた
素敵なお話だと感じました。

 

色を見るとは、眼が光を感知して
視神経を通じて脳で認識します。


イメージを使って脳で認識していると考えると
目という感覚器官を使わずに
違った方法でも色を認識出来るのだと知りました。

 

そして読んでいてなるほど、と納得したのは
晴眼者と視覚障害者の会話で
色を知っていると視覚障害者の方が説明しやすい、
というくだりでした。

 

例えばテレビの配線コードなどは
同じ色同士繋げればOKなので
「同じ色でつないで」とお願いできる。

洋服を探してほしい時に特徴を伝える時も
何色のシャツ、などと言うと伝わりやすいと。

 

なので色を説明してもらいイメージで覚えて
他者との会話ですれ違いを防ぐことができると。

 

視覚障害者の方から色を指定される、ということは
考えていませんでした。

 

見えないから分からないだろうということは
決めつけでしかないとハッとさせられました。

 

晴眼者という言葉
本当に晴れた眼で見ているのだろうか?

 

見るということは、視力を使うことだけでは無い
色々な見方があるのだと学んだ日でした。

オレンジ色のサンタンカ