お散歩日和

身近な自然観察や感じたこと等。たまに遠出も。

口を開け 種が飛び出す コロコロと

2022/6/4

先日投稿したタチアオイの花壇の足元に
小さな赤紫の小花群に目が行きました。

 

ヒナキキョウソウ-1

和名は、ヒナキキョウソウ雛桔梗草
英名は、small venus looking glassと
どちらも長い名前でした。

測ってみると花は直径1.5cmの小ささですが
茎の高さは10~30cm位と背は高いです。

 

同じ仲間で花も似ているキキョウソウ
ひと茎に沢山あるつぼみが開花するようですが
こちらのヒナキキョウソウのほとんどが
最上部のひとつだけが開花するとのことでした。

 

私が見たのも皆てっぺんの一輪だけ咲いていました。

 

ヒナキキョウソウ-2

英名は、細長い茎の上から
花が芝生を見下ろす様子が想像できますね。

 

とても小さいですが可愛らしい花で
気になって調べると面白かったのでシェアします。

 

この花はつぼみを沢山つけてもほとんどが開花せず
これを閉鎖花と呼ぶそうです。

 

ただし開花はせずとも自家受粉で種子を作ります。

種が成熟すると実の側面上の方に穴が開き
20分位かけてロールカーテンを上げるように
実の部分がまくれ上がって窓が開き
そこから種が転がり出るそうです。

 

ヒナキキョウソウの実-1

あまりに小さすぎてめくれた部分はよく見えませんでしたが
穴の開いた実を写真に収めてみました。

 

ヒナキキョウソウの実-2

葉の間から窓を開けた実が縦に並んだ姿が
植物の高層マンションの窓のようです。

 

仕組みも姿もとってもユニークです。

 

30cm未満の茎に沢山付いた実と
そのまた小さい種達が作り出す世界。

 

自ら受粉して種を作り、窓を開けて種を送り出す。

自分の力で生きていく方法で進化していった
自立型の植物だと感じました。


今回も楽しい植物の世界をひとつ学びました。

 

ヒナキキョウソウの実の絵